干支・暦の数え方 / 大石浩之の暦ことばノート

干支はなぜ60通り?2026年の丙午から読む

大石浩之 · 公開 · 資料確認 2026-09-26

二つの札の輪を同時に進める暦の案内人と、赤い馬の置物のそばで見守るこよまる。十干と十二支の進み方を考える場面
記事内容をもとに生成した、暦の案内人とこよまるのイメージです。札の個数を示す図ではありません。正確な並びは本文の図と計算で説明します。

十二支は12個なのに、干支はなぜ60通りなの?

干支が60通りなのは、十干10個と十二支12個を同時に一つずつ進め、両方が出発点へ戻る最短の回数が60だからです。10×12の全組合せを使う方式ではありません。2026年の丙午は、甲子を1番とした六十干支の43番目。周期の仕組みと吉凶の判断は別です。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として仕事をする一方、このノートでは暦の言葉を資料から調べています。2026年の暦にある「丙午」を見ると、午年の前に付く丙は何だろう、と気になります。十二支なら12個なのに、干支は60通り。この違いを、二つの列の進み方から確かめます。

資料確認日は2026年9月26日です。香港天文台の2026年対照表と、国立国会図書館「日本の暦」の六十干支表を読みました。本稿で扱うのは符号の並びと周期です。天体の運動による周期や、人の運勢を予測する話とは分けて進めます。

2026年の丙午を、二つの字に分ける

2026年の年の干支は丙午で、「ひのえうま」と読みます。香港天文台の2026年の公暦・農暦対照表にも、表題に丙午と記されています。丙は十干の一つ、午は十二支の一つです。二文字を一組として読んだものが、この場合の干支です。

十干は「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10個です。十二支は「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12個。午は7番目ですが、丙は3番目です。二つの列は長さが違うので、一緒に進めても、いつも同じ番号どうしになるわけではありません。

国立国会図書館の「干支①六十干支」では、丙の訓読みを「ひのえ」、午を「うま」としています。同資料の十干表では丙に火・陽が割り当てられています。これは伝統的な思想による分類であり、2026年の気温や災害を示す観測値ではありません。

「午年」と言うときに見ているのは十二支の側です。「丙午」と言えば十干まで含めた組になります。馬の絵だけが載った年賀状と、二文字の干支が記された暦では、示している情報の細かさが違う。まずこの区別を付けると、12と60の数字がぶつからなくなります。

香港天文台の表は公暦と農暦の日付を対照する資料です。表題に丙午とあっても、年の切替日をあらゆる暦や占術で同じとする根拠にはしません。個人の生年月日に当てはめる場合は、使用する暦の区切りも別に確かめます。日付の対照は旧暦の調べ方で扱っています。

十干と十二支は、同時に一つずつ進む

六十干支は、十干と十二支をそれぞれ順番に一つずつ進めて作る並びです。国立国会図書館の表では、1番が甲子、2番が乙丑、3番が丙寅です。甲を固定したまま子から亥まで総当たりする並びではありません。

紙の上に十干と十二支を一列ずつ書くと、動きが見えます。最初は甲と子に印を付けます。一回進めると乙と丑、二回進めると丙と寅。片方だけを進めたり、先に一周した列を待たせたりはしません。両方の印を一回につき一つ動かす、という規則を最後まで守ります。

10番の癸酉まで来ると、十干の列は最後です。次の11番では十干が甲へ戻りますが、十二支はまだ戌。したがって11番は甲戌です。12番は乙亥。13番では十二支が子へ戻り、十干は丙なので、丙子になります。

ここが意外なところです。最初の十干に戻っても、干支全体は最初に戻りません。子が再び現れても、甲子とは限りません。二文字の片方が同じことと、組が同じことを分けないと、10通りや12通りで一周したように見えてしまいます。

年の干支と日の干支も、欄を分けて読む必要があります。十二直を調べる際に使うのは日の十二支です。2026年が午年だから毎日が午の日、とはなりません。具体的な表の使い方は十二直の調べ方に記しました。年の見出しだけで日付欄を埋めないための区別です。

10と12がそろう最初の回数は60

干支が出発点と同じ組へ戻るには、進めた回数が10の倍数で、同時に12の倍数である必要があります。最初に両方を満たす正の整数は60です。これが10と12の最小公倍数であり、六十干支の周期を説明する計算です。

10の倍数を並べると、10、20、30、40、50、60。12の倍数は12、24、36、48、60です。60回進むまで共通する数字がありません。60回で十干は6周、十二支は5周します。片方が何周したかをそろえるのではなく、両方の印が出発点へ戻ったかを確認します。

甲子から同時に進めると、10回後は甲戌、12回後は丙子で片方しか戻らない。60回後に十干6周と十二支5周がそろい甲子に戻る
国立国会図書館の並びをもとに、進めた回数を計算した記事専用図。出発点の甲子は1番なので、60回後は次の周期の1番です。

「10×12=120では?」という疑問は、数える対象を確かめると解けます。十干から一つ、十二支から一つを自由に選ぶなら、候補は120組あります。しかし、甲子から同時に動かす規則では、そのすべてを通りません。自由な組合せの数と、決まった道順で現れる組の数は別です。

たとえば甲は十干の奇数番目、丑は十二支の偶数番目です。甲子から一つずつ動かすと、両方の番号が奇数、次は両方が偶数、と続きます。列の長さは10も12も偶数なので、端から先頭へ戻っても、この関係は変わりません。甲丑という組は、その道順では現れないのです。

奇数番目どうしは5×6=30組、偶数番目どうしも5×6=30組です。合わせて60組となり、最小公倍数で求めた結果と一致します。これは陰陽の吉凶を判定した計算ではなく、表の順番から確かめた性質です。名前の意味を知らなくても、同時に進める規則は検算できます。

なお、「60番目」と「60回進めた後」は一つ違います。出発点を1番と数えるなら、60番は59回進めた癸亥です。そこからもう一回進めて甲子へ戻ります。最初の甲子から次の甲子までの間隔が60で、61番目に最初の組が再登場します。

丙午は43番目、午年は12年ごと

丙午は、甲子を1番とする六十干支表の43番目です。国立国会図書館の表で確認でき、同時に進める方法でも再現できます。43番へ行くには出発点から42回進めます。43回ではない、という点に注意します。

42を10で割ると余りは2なので、十干は甲から二つ先の丙です。42を12で割ると余りは6なので、十二支は子から六つ先の午です。二つを合わせて丙午になります。表の番号を記憶するだけでなく、「番号から1を引いて、10と12で割る」と確かめ直せます。

同じ午が現れる間隔は12です。2026年の丙午を起点に年の並びを計算すると、12年後の2038年は戊午になります。十二支は一周して午へ戻りますが、十干は12個分、つまり一周と二つ進むため、丙から戊へ替わるのです。

この方法で追うと、2050年は庚午、2062年は壬午、2074年は甲午、2086年は丙午になります。これらの年は今回開いた対照表に掲載された値ではなく、2026年を基準に60年周期から算出した例です。午年が5回来る間に、組になる十干が五つ入れ替わります。

2026年の60年前は1966年です。同じ周期の計算で、1966年も丙午に当たります。年の干支が一巡することは、還暦という言葉にもつながります。12年で動物が戻ることと、60年で二文字とも戻ることは、同じ仕組みを違う細かさで見ているわけです。

私の考え:数え方を材料にし、吉凶は急いで決めない

私は、六十干支のよさは、二文字の並びを自分の手で確かめられる点にあると考えます。資料の43番と、42回進める計算が一致する。説明をただ受け取るだけでなく、確かめる手順が残ります。暦を読む道具として、その手触りは残したいと思います。

ただ、数え方が分かったことを、人柄や暮らしの結論へ飛躍させる説明には注文があります。丙午という名前だけで、人の性格も、家族の予定も決めなくていい。私はそう考えます。決めるための材料を一つ増やしたところで、まだ判断を保留する自由を残したいのです。

丙午を入口にすると、言い伝えの説明まで広げるか迷います。読み方を知りたい方には役立ちそうですが、数え方の話と混ぜると、60年という周期が吉凶の根拠に見えかねません。本稿では古典原文の記述や近世以降の俗信の来歴は論じず、確認できた配列と計算に絞ります。

暦に書かれた分類と、暮らしでどう扱うかは別の問いです。六曜と旧暦の関係でも、割当ての仕組みと言い伝えを分けました。名称が規則どおりに求まることは、出来事の結果がその名称で決まることを意味しません。

2026年9月26日にできる確認として、紙に「甲子→乙丑→丙寅」と書いてみます。続いて11番の甲戌、13番の丙子を出典の表で探します。最後に43番の丙午へ戻り、丙と午を別々の列で確かめる。この三か所を読めれば、60通りの理由を自分の言葉で説明する材料がそろいます。

よくある質問

十干10個と十二支12個なら、120通りではありませんか?

自由に一つずつ選ぶなら120組です。六十干支では甲子から十干と十二支を同時に一つずつ進めるため、すべての組は現れません。両方が最初へ戻るには10と12の共通の倍数だけ進む必要があり、最短は60回です。甲丑のように列の番号の奇数・偶数が異なる組は、この並びには入りません。

午年はすべて丙午ですか?

午年は十二支だけを見た呼び方で、丙午と同じ範囲ではありません。午は12年ごとに戻りますが、組になる十干は替わります。2026年の丙午から12年進めると2038年は戊午です。さらに庚午、壬午、甲午を経て、60年後の2086年に丙午へ戻ります。これらは2026年を基準に周期から計算した例です。

年の干支と日の干支は同じものですか?

十干と十二支を組み合わせる並びは共通ですが、年を数える欄と日を数える欄は別です。年の干支は60年、日の干支は60日で同じ組へ戻ります。2026年が丙午だから毎日が丙午という意味ではありません。日付の暦注を調べるときは、資料の年の表題と日の欄を見分け、必要な側の干支を読み取ります。

調べた資料・出典

2026-09-26 確認

暦の吉凶は歴史的な分類・言い伝えとして紹介しています。個人の運命や出来事の結果を保証するものではありません。暦の計算法や資料の説明は更新されることがあります。生活上の予定は、関係者の都合や実際の条件を確かめて決めてください。

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