干支と時刻 / 大石浩之の暦ことばノート

十二支の時刻の読み方|2026年秋の夜に資料を読む

大石浩之 · 公開 · 資料確認 2026-10-16

紫髪と丸眼鏡のこよみくんと白い鳥のこよまるが、秋の夕暮れの机で古い暦、時計、十二分割の図を見比べ、十二支の時刻の読み方を調べるイラスト
記事内容をもとに生成した、こよみくんとこよまるのイメージです。実在の古文書や時刻制度を再現した証拠画像ではありません。

子の刻や酉の刻は、どうやって今の時刻で読めばいい?

十二支の時刻は、まず資料の時法を確認します。定時法の対応表では子が23~1時、酉が17~19時です。不定時法では季節で長さが変わるため同じ表で確定しません。原文・日付・場所・解説を残し、不明なら換算を保留します。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として仕事をする一方、このノートでは暦の用語を資料から調べています。古い文章の「子の刻」「酉の刻」を、時計の何時に当たるのか読みたい。今回は、十二支の名前を見つけた後、どの順番で資料を確認するかを考えます。

国立天文台「東京の2026年10月の日の出入り」では、10月16日の日の入りは17時05分です。日本標準時で示された東京の計算値で、磐田の値ではありません。夕方の数字から古い時刻の言葉へ目を向ける、秋の読書の入口にします。資料確認日は2026年10月16日です。

最初に、十二支が時刻を表しているか確かめる

十二支の字は、時刻だけでなく年・日・方角などにも使われます。国立天文台暦計算室の暦Wiki「十二支」は、名称、読み、方角、時刻を別の欄に並べています。「子」という一字を見ただけでは、午前0時前後の話だとは決まりません。

私の提案は、気になる字の前後を一文ずつ残すことです。「酉の刻に」という書き方なのか、日付の並びにある酉なのかを見ます。翻刻で文字を追っているなら、解説や凡例も開きます。表の一行だけを切り抜くより、何を表す欄かを確かめる手がかりが残ります。

日付に付く干支を知りたい場合は、日の干支の調べ方が別の入口になります。日付の符号を調べる作業と、その日の何時かを読む作業は分けます。同じ字が出てきても、答えを探す表まで同じとは限りません。

時刻だと判断できたら、資料名、成立した時代、記述の対象日、場所を控えます。そのうえで、解説に定時法か不定時法かの説明があるか探します。資料に書かれていない条件を、読む側の都合で補わないための下準備です。時代だけで機械的に分類せず、当該資料の説明を先に見ます。

定時法なら、十二支の12区分表を読む

定時法の十二支の対応では、子の刻は23時から1時、酉の刻は17時から19時です。国立天文台暦Wiki「十二支」の表には、時刻欄は定時法の場合だという条件が添えられています。条件を含めて使うのが、この表の読み方です。

十二支の読みと時刻の対応(定時法・現代的な表記)
十二支読み時刻の範囲
子ね23~1時
丑うし1~3時
寅とら3~5時
卯う5~7時
辰たつ7~9時
巳み9~11時
午うま11~13時
未ひつじ13~15時
申さる15~17時
酉とり17~19時
戌いぬ19~21時
亥い21~23時

表は同台の「十二支」を基に作成しました。亥の読みは原表の歴史的仮名遣い「ゐ」を現代の「い」にしています。各行は一つの瞬間ではなく幅を持った区分です。「酉の刻」を見て18時とだけ書き換えると、原文が持っている時間の幅を消してしまいます。

国立天文台「定時法と不定時法」は、一辰刻の間隔を現代的な表記で2時間と説明しています。各区分の初めを初刻、中央を正刻と呼びます。子の中央が正子、午の中央が正午です。「子の刻」と「子の正刻」では、どこまで絞っているかが違います。

練習として、定時法だと確認済みの仮の文章「戌の刻に集まる」を読みます。対応表から拾えるのは19~21時という範囲までです。原文に中央や細かな区切りの指定がないなら、20時ちょうどとは書きません。これは読み方を示す例で、実在の古文書の引用ではありません。

十二支の並びと、十干を組み合わせた六十干支の仕組みは、干支が60通りになる理由で確認できます。時刻の入門では、まず十二支12個の順番と二時間幅の対応を別々に押さえると、年や日の周期の話と混ざりにくくなります。

不定時法の資料には、固定した2時間を当てない

不定時法では、季節によって時間の長さが変わります。国立天文台「定時法と不定時法」は、江戸時代の方法として、明六つから暮六つまでを六等分し、夜も暮六つから明六つまでを六等分すると説明しています。昼と夜を別々に区切る考え方です。

国立天文台暦Wiki「十二支」は、不定時法でも十二支を使うと注意を添えています。字が同じなら時法も同じ、と見なせないところが意外です。対応表の見やすさは助けになりますが、表だけでは資料の時法まで判定できません。

古い資料ならすべて不定時法、という決め方も避けます。同台の説明では、暦面上は天保暦を除いて定時法が用いられています。生活の時刻を語る文章と暦の表面に印刷された時刻を、時代の名前だけでひとまとめにしないための注意です。本稿は個々の原典を判読した報告ではなく、公式解説を手がかりにした確認手順です。

原文の十二支を見つけ、資料の時法を確認する。定時法なら十二支の対応表で範囲を読み、不定時法や不明の場合は日付、場所、解説を確認して固定換算を保留する手順図
編集部作成の読解手順。時法が不明なときは、対応表へ直行せず確認メモを残します。

冒頭の東京の日没17時05分は、太陽の出入りの計算値です。国立天文台の月表では、太陽の上辺が地平線に一致する時刻を出入りとしています。この数字を、そのまま昔の暮六つと置き換えることはしません。現代の天文表と、資料が採用した時刻の定義は、別に確かめる必要があります。

秋の夜という導入に引かれて、日没から江戸の時計を再現する説明も添えるべきか、私は迷いました。ただ、日付と場所だけ並べても、明六つ・暮六つの定義を確認したことにはなりません。本稿では換算式を作らず、定義を調べるところで止めます。

子の刻は日付をまたぐので、前後の語も残す

定時法の子の刻は23時から1時にまたがるため、現在の日付の区切りを途中に含みます。国立天文台「定時法と不定時法」は、暦面上の一日が正子に始まり正子に終わると説明しています。子という字だけで、前日側か翌日側かは決められません。

原文に「今夜」「今暁」「翌」などが付いているなら、その語も写します。同台の解説には、日の区切りと時刻表記の変遷がまとめられています。ただし、接頭語一つをどの時代にも共通する変換規則として扱わず、読んでいる資料の年代と説明を照合します。

私なら、子の刻を見つけた欄の写真や翻刻位置と、前後の日付を一組で保存します。「23~1時」というメモだけを別の紙に移すと、後からどの日の夜だったのか戻れなくなるからです。時刻を細かくするより先に、日付とのつながりを保ちたいと考えます。

古い月日を現代の日付へ読み替える作業も別工程です。必要なら旧暦の日付を資料で確かめる手順を参照します。時刻の字が読めても、旧暦の日付まで西暦に変換できたわけではありません。読めた部分と、これから確かめる部分をメモの上でも分けます。

時法が分からないなら、換算を保留してよい

十二支の時刻を調べる今日の一歩は、原文と資料の時法を一組にして記録することです。確認欄は「原文」「資料名と位置」「対象の年月日・場所」「時法の根拠」「読めた範囲」の五つにします。空欄を見つければ、次に何を調べるかが分かります。

たとえば定時法だと解説で確認できた酉の刻なら、「原文:酉の刻/時法:定時法、解説の該当ページ/対応:17~19時」と残します。時法を確認できなかった場合は、「原文:酉の刻/時法:未確認/現代時刻:保留」と書きます。二つ目も、調査の途中経過として役に立つメモです。

私は、分からない時刻を無理に一つの数字へ押し込めなくていいと考えます。対応表を一枚覚えるより、何が分かっていないかを残す方が、次に資料を開くときに効きます。今日は結論が出なくても、判断する材料が一つ増えれば十分です。これは時刻制度の説明ではなく、資料を読む私の姿勢です。

定時法と確認できれば表で範囲を読む。不定時法なら、その資料の昼夜の区切り方を調べる。不明なら保留する。この順番なら、表の便利さを使いながら、原文以上の精度を勝手に足さずに済みます。十二支の時刻を読むとは、数字を急いで出すことより、数字を出してよい条件を確かめることだと私は思います。

よくある質問

子の刻は午前0時のことですか?

定時法の子の刻は、現代的な表記では23時から1時の範囲です。中央の正子は0時に当たりますが、「子の刻」という記述だけなら幅があります。日付をまたぐため、原文の「今夜」「今暁」「翌」などの語や前後の日付も残し、当該資料の説明を確かめます。不定時法の資料へ、この固定した範囲を無条件に当てません。

酉の刻は18時と書き換えてよいですか?

定時法の対応表では酉の刻は17時から19時です。18時はその中央ですが、原文が中央まで指定したとは限りません。まず資料の時法を確認し、酉の刻とだけあるなら時間の範囲として読みます。不定時法では季節で時間の長さが変わるため、同じ表だけで現在の時計の時刻を確定させません。

東京の日没17時05分を暮六つとして計算できますか?

2026年10月16日の東京の日没17時05分は、国立天文台の現代の天文計算値です。古い資料の暮六つと、そのまま同一視することはできません。資料が採用した明六つ・暮六つの定義、対象日、場所、時法の解説を別に確認します。本稿では日没からの換算を行わず、定義が不明な場合は保留します。

調べた資料・出典

2026-10-16 確認

暦の吉凶は歴史的な分類・言い伝えとして紹介しています。個人の運命や出来事の結果を保証するものではありません。暦の計算法や資料の説明は更新されることがあります。生活上の予定は、関係者の都合や実際の条件を確かめて決めてください。

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