干支 / 大石浩之の暦ことばノート
十干の読み方|甲から癸まで10字を資料で照合
暦に出てくる十干の字は、どう調べて読めばいい?
十干は「じっかん」と読み、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10字です。読みたい字を資料の十干表で探し、音読みと訓読みを別々に確認します。訓読みは木・火・土・金・水と「兄(え)・弟(と)」の対応をたどれます。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。暦に「甲」や「丁」が載っていても、どう声に出すかで止まることがあります。私は宅地建物取引士として仕事をしていますが、ここでは暦の専門家としてではなく、読者と一緒に資料をたどる立場で読み方を整理します。
国立天文台は、2026年2月2日に2027年の暦要項を発表しています。10月24日の新しい発表ではありません。来年の暦を読む準備として、今回は十干の10字を、国立国会図書館と国立天文台の表で照合します。資料の確認日は2026年10月24日です。
1.読みたい字を写して、十干表を開く
十干は「じっかん」と読みます。甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸という10字の並びです。国立国会図書館「日本の暦」は、もともと日を10日のまとまりで数えるための呼び名だったと説明しています。最初から動物の名前だったわけではありません。
まず、手元の暦から読みたい字を、そのまま一字写します。「丁未」のように二文字なら、前の丁が十干です。後ろの未は十二支なので、今回は丁の行を調べます。二文字をひとまとめに探す前に、どの字の読みを確認したいのかを切り分けます。
次に、国立国会図書館の「干支①六十干支」を開き、「十干」の表へ進みます。同じページには十二支の表と六十干支表もあります。表の名前を確かめると、数字や動物の欄を探し続けずに済みます。
十干表の左側で字を見つけたら、同じ行の「音読み」と「訓読み」を読みます。丁なら、音読みは「てい」、訓読みは「ひのと」です。メモには「丁|てい|ひのと」と欄を分けて残します。読みに合わせて元の漢字を書き換えず、三つを一組にします。
年そのものの干支を確認したい場合は、2027年の年の干支を原表で調べる手順を使えます。本稿の目的は年を特定することではなく、目の前の十干の字を読めるようにすることです。年の表と読みの表は、受け持つ仕事が違います。
2.10字の音読みと訓読みを照合する
十干の読みは、音読みと訓読みを分けて並べると確認しやすくなります。次の一覧は国立国会図書館の十干表に沿っています。上から順に読む練習にも使えますが、最初は自分が知りたい一字だけを見つければ十分です。
- 甲:音読み「こう」、訓読み「きのえ」。
- 乙:音読み「おつ」、訓読み「きのと」。
- 丙:音読み「へい」、訓読み「ひのえ」。
- 丁:音読み「てい」、訓読み「ひのと」。
- 戊:音読み「ぼ」、訓読み「つちのえ」。
- 己:音読み「き」、訓読み「つちのと」。
- 庚:音読み「こう」、訓読み「かのえ」。
- 辛:音読み「しん」、訓読み「かのと」。
- 壬:音読み「じん」、訓読み「みずのえ」。
- 癸:音読み「き」、訓読み「みずのと」。
別の資料でも確認します。国立天文台の暦Wiki「十干」には「よみ」と「ヨミ」の欄があります。ひらがなの欄が「きのえ」など、片仮名の欄が「コウ」などの読みです。欄名は図書館の表と同じではありませんが、字ごとに横へたどれます。
資料間で、音の示し方がまったく同じとは限りません。国立天文台は甲に「コウ/カッ」、乙に「イツ/オツ」を掲載しています。図書館の表では甲が「こう」、乙が「おつ」です。追加の読みがあると気づいたら、資料名も一緒に控えます。違いを消して一つの表に見せる必要はありません。
本稿の一覧は、十干を照合するために図書館の表へそろえたものです。漢字が使われるすべての熟語の読みを網羅する一覧ではありません。別の文章で見つけた字なら、まず元の文章を残し、その語の読みと、十干としての読みを混同しないようにします。
3.五行と兄・弟から訓読みをたどる
十干の訓読みには、木・火・土・金・水と「兄(え)・弟(と)」の対応があります。国立国会図書館は、陰陽五行説を十干に当てはめ、日本では陰と陽を弟と兄に見たてた経緯を説明しています。これは古代中国の思想と、それを受けた呼び方の説明です。
木の組は甲と乙で、「きのえ」「きのと」。火の組は丙と丁で、「ひのえ」「ひのと」です。土の組は戊と己で、「つちのえ」「つちのと」。金の組は庚と辛で、「かのえ」「かのと」。水の組は壬と癸で、「みずのえ」「みずのと」と読みます。
図の使い方は、字を見つけ、五行の組を確認し、兄か弟かを読む順です。庚なら金の組の兄なので「かのえ」。辛なら同じ組の弟なので「かのと」です。「金」をそのまま「きん」と読んでつなぐのではなく、表にある訓読みまで確かめます。
私は、この対の形が、丸暗記する前の足場になると考えます。ただし、木や火の性質から自分で新しい読みを作るための図ではありません。先に資料の対応を押さえ、その後で「五つの組が二つずつある」と振り返る使い方です。
五行は、ここでは歴史的な思想の分類として扱っています。天体の観測値や現代科学の物質分類を表す図ではありません。生まれ年の十干から人の性格や将来が科学的に決まる、という説明にも使いません。語の由来を知ることと、人を判断することは別です。
4.同じ音と似た字は、文字に戻って確かめる
十干の音読みには、同じ音になる別の字があります。図書館の表では甲と庚がどちらも「こう」、己と癸がどちらも「き」です。音だけを聞いて10字のどれか一つに戻せるわけではない、という点は照合の際に役立ちます。
「こうと書いてあった」と記録するより、「庚・こう・かのえ」と字も残す方が、後から確かめられます。音声で伝えるなら、訓読みを添える方法もあります。これは本稿で提案するメモの方法であり、暦の伝統上の決まりとして勧めるものではありません。
己と、十二支の巳も取り違えないようにします。十干表で「つちのと」に対応するのは己です。十二支表で「み」に対応するのは巳です。小さな印刷や画面で判別しづらければ、原資料を拡大し、十干の欄か十二支の欄かも一緒に確認します。
練習するなら、まず庚を紙へ写し、音読みと訓読みの欄を埋めます。答えは「こう」「かのえ」。次に癸を写し、「き」「みずのと」と照合します。最後に、読みから漢字を思い出すだけで済ませず、元の資料の字と一字ずつ見比べます。
日付に付いている二文字を確かめたいときは、日の干支の調べ方も参照できます。十干の並びを読めることだけでは、その日の干支を特定したことにはなりません。読みの確認と、日付への割当ての確認を別々に行います。
5.私の考え:一字を資料で読めればよい
私は、暦の用語を調べた日の成果は、全部覚えることより、次に自分で確かめられることだと考えます。仕事の段取りでも、判断の前に材料をそろえる姿勢を持ちたい。十干なら、字・音読み・訓読み・資料名の四つが残れば、読みを確かめ直す入口になります。
十干の話をすると、相性や吉凶まで説明した方が親切なのか、私は迷います。ただ、読み方を探して来た方に、別の判断まで渡すと、知りたいことがぼやけます。今回は10字の読みを資料で確認するところで止めます。読みが分かっただけで、何かを決める必要はありません。
十干と十二支を合わせた並びの仕組みが気になったら、干支が60通りになる理由へ進めます。今日の確認を一つだけ選ぶなら、手元の暦で読めなかった字を一字写し、二つの資料の同じ行を見る。それで、次にその字へ出会ったときの手掛かりが一つ増えます。
よくある質問
十干と干支は、同じ読み方ですか?
十干は「じっかん」、干支は「えと」または「かんし」と読みます。十干は甲から癸までの10字、干支は十干と十二支の組合せです。丁未なら丁が十干、未が十二支です。十干の表で丁だけを調べた後、二文字全体の読みが必要なら六十干支表へ進みます。表の対象を確かめてから読みを控えます。
音読みと訓読みは、どちらを覚えればよいですか?
最初は、読みたい字の音読みと訓読みを並べて確認すると使いやすくなります。丁なら「てい」と「ひのと」です。本稿は国立国会図書館の表に沿って一覧を示しています。甲と庚のように音読みが重なる字もあるので、音だけではなく漢字も残します。特定の文章で使われる読みは、その文章の文脈に戻って確認します。
五行との対応から、人の性格が科学的に分かりますか?
本稿で使う五行の表は、十干の呼び方に関わる歴史的な思想の対応表です。国立国会図書館も、古代中国の思想として説明しています。性格を科学的に判定する資料として扱うものではありません。木や火という言葉の印象だけで、自分や相手の人柄、将来、相性の成否を決めず、読みの確認に使います。
調べた資料・出典
2026-10-24 確認
- 国立国会図書館「日本の暦/干支①六十干支」 — 十干の起源、陰陽五行説と兄弟の説明、十干・十二支・六十干支の表。公表日の表示なし。2026年10月24日確認。
- 国立天文台 暦Wiki「十干」 — 甲から癸の読みと五行・兄弟の対応。甲のコウ/カッ、乙のイツ/オツも掲載。最終更新2017年11月10日。2026年10月24日確認。
- 国立天文台「令和9(2027)年暦要項の発表」 — 2026年2月2日発表。翌2027年の暦要項公表を確認。記事公開日の新発表ではない。2026年10月24日確認。
暦の吉凶は歴史的な分類・言い伝えとして紹介しています。個人の運命や出来事の結果を保証するものではありません。暦の計算法や資料の説明は更新されることがあります。生活上の予定は、関係者の都合や実際の条件を確かめて決めてください。