四神・二十八宿 / 大石浩之の暦ことばノート
四神とは?28宿を分ける青龍・朱雀・白虎・玄武
四神と二十八宿は、どんな関係があるのですか?
四神は東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武です。二十八宿の一覧では、それぞれに7宿ずつが対応します。ただし宿の間隔は均等ではなく、四神の東西南北は今夜の観察方向を指定するものでもありません。星を見るときは地点と日時を合わせた星図で確認します。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士の仕事とは別に、暦の言葉を資料から調べています。青龍、朱雀、白虎、玄武。名前は知っていても、二十八宿の表に四神が登場すると、星の話なのか、方角の話なのか迷います。
今回は四神と二十八宿の対応を、国立天文台と文化財の公開資料で確かめます。四神を身近な星の名前へつなぐ記事です。個人の運勢や家の良し悪しを判定するものではありません。資料は2026年10月7日に確認しました。
四神とは、四方に対応する青龍・朱雀・白虎・玄武
四神(しじん)は、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武という、四方に対応する神獣です。文化庁の「キトラ古墳壁画の公開」の解説では、古墳の東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎、北壁に玄武が描かれたと確認できます。
読み方は、青龍がせいりゅう、朱雀がすざく、白虎がびゃっこ、玄武がげんぶです。龍、鳥、虎は形を想像しやすいかもしれません。玄武は一匹の亀だけを指す絵とは限りません。国営飛鳥歴史公園のキトラ古墳の解説は、亀に蛇が絡まった像と説明しています。
同公園の写真には、甲羅のある亀と長く曲がった蛇が一緒に写ります。名前だけを覚えるより、体の形を一つ確かめると、資料の図像を読みやすくなります。ただし、ゲームや商品で使われる姿を、そのまま古い壁画の姿と考えないようにします。
文化庁の文化遺産データベース「キトラ古墳壁画」は、四神、十二支、天文図、太陽と月を別々の要素として紹介しています。四神と十二支は、同じ壁画に出てくるからといって同じ分類ではありません。四つの神獣と、十二の動物を数え分けるところから始められます。
私は、最初に四方と姿だけを確かめる読み方がよいと考えます。色、季節、五行などを一度に足すと、何の資料で確認した話なのかが見えにくくなるからです。対応を増やすのは、最初の四組を資料に戻って読めるようになってからで構いません。
二十八宿は、四神それぞれに7宿ずつ対応する
二十八宿の一覧では、東方青龍・北方玄武・西方白虎・南方朱雀に、それぞれ7宿が対応します。国立天文台暦計算室の暦Wiki「二十八宿」で、四つの行と宿名を照合できます。7宿が四組あるので、合わせて28宿です。
青龍の行は角宿から箕宿まで、玄武は斗宿から壁宿までです。白虎は奎宿から参宿まで、朱雀は井宿から軫宿までが並びます。ここで数えているのは宿の数です。一つの宿に星が一つしかない、という意味ではありません。
四神は、28個の宿を覚えるときの大きな見出しにもなります。たとえば昴宿を見つけたら、その行の左端まで戻ると西方白虎が分かります。隣の畢宿も同じ行です。知らない漢字を全部覚えなくても、名前一つと所属する組を対にして読めます。
意外なのは、数が同じでも空の幅まで同じにはならないことです。暦Wikiは、宿の間隔が均等ではないと明記しています。「一周を28等分し、さらに四等分する」と描いてしまうと、対応表から分からない角度を付け足してしまいます。上の図の枠が同じ大きさなのは、読みやすく並べたためです。
二十七宿の本命宿との比較が必要な場合は、二十八宿と二十七宿の違いを参照できます。本記事の四組各7宿という整理は、二十八宿の表についての説明です。牛宿を含まない二十七宿の一覧へ、そのまま移すことはできません。
「西方白虎」の星を、いつも西で探すわけではない
四神の東西南北は伝統上の対応名であり、観察する夜の方角を指定する案内ではありません。「西方白虎に属する昴宿」と分かっても、その時刻にすばるが西の空にあるとは決まりません。実際の空は、観察地点と日時を合わせた星図で確認します。
国立天文台の貴重資料展示室「すばる」は、おうし座のプレアデス星団と昴宿のつながりを説明しています。ここでは同じ対象を、西洋由来の星座名と中国由来の宿名からたどれます。おうし座全部が昴宿という意味ではありません。
2026年10月の星図からすばるを探す手順は、昴宿の探し方で扱いました。その記事では月別の全天図で東側のおうし座を確かめます。白虎という分類名と、その夜に星を探す方角を分けると、資料同士が矛盾しているように見える場面を整理できます。
四神をコンパスの表示として使ってしまうと、星図の時刻を読む手順が抜けます。手帳には「伝統上の組:西方白虎」「対象:昴宿に結び付くすばる」と書き、観察の日時と方角は別の欄にする。これは私の整理の提案です。二つの欄を分ければ、まだ空を確かめていないことも残せます。
同様に、カレンダーのある日に宿名が載っていても、月がその宿の星のそばに見えるという観測報告ではありません。日付欄を読む作業は二十八宿の調べ方へ分けました。天体の位置を表す使い方と、暦注として日付に名前を割り当てる使い方を、一枚の表だけで混ぜないためです。
キトラ古墳では、四神の壁と天文図の天井を分けて見る
キトラ古墳の石室では、四神は四方の壁に、天文図は天井に描かれています。文化庁の公開事務局の解説は、四神と十二支、天文図、日月の配置を説明しています。四神の絵と星の図は関係する文化の中にありますが、同じ絵ではありません。
文化庁の説明によると、天井の天文図には天の赤道や黄道を示す円があります。天の赤道は地球の赤道を空へ広げた線、黄道は空の上で太陽が一年かけてたどる道筋です。動物の輪郭だけを見る場合と、星の位置を示す線を見る場合では、読み取る対象が変わります。
国営飛鳥歴史公園の解説で目を引くのは、キトラの白虎の頭が北を向くという点です。同資料は、高松塚古墳などの白虎とは逆向きだと説明しています。西壁に描かれることと、絵の中の頭が向く方向は別です。「西の白虎」だから顔も西向きだろう、と名前だけで補わない方がよさそうです。
資料で確認できるのは、どの壁に何が描かれ、どう説明されているかです。そこから「この家の西に白虎を置けば暮らしが良くなる」といった効果までは確かめられません。神獣が方角を守るという説明は歴史的な思想・信仰の内容です。天体位置の測定結果と同じ種類の根拠には扱いません。
私は、現物の配置まで戻れることに、公開資料を読む良さがあると思います。一方で、写真に見えない部分を想像して復元図のように描くことには慎重でありたい。この記事の表紙も、四神を調べる場面を生成したイメージです。古墳の壁画の模写や、現地で撮った写真ではありません。
今日は一つの宿と四神の対応を確かめればよい
四神と二十八宿を調べる最初の一歩は、気になる宿を一つ選び、国立天文台の一覧でどの組にあるか確かめることです。昴宿なら西方白虎、角宿なら東方青龍です。宿名、組名、参照元を一緒に残せば、次に資料を開いたときも続きから読めます。
私はこう考えます。四神を知った日に、方角の吉凶への態度まで決めなくてよい。古い暦や壁画を読むための見出しが一つ増えた。それだけで、調べた意味はあります。文化に親しむことと、生活の判断を委ねることの間には、自分で選べる余地があります。
私には、神獣の物語の面白さをどこまで広げて書くかという迷いがあります。姿の由来を全部説明したくても、今回の資料だけでは各説の成立時期までは追えていません。そこで、四方の対応、7宿ずつの一覧、壁画での配置という、確認できる範囲にとどめました。
紙に「昴宿/西方白虎/国立天文台の二十八宿一覧」と一行書く。空で探したくなったら、その時点で観察の日時と地点を決める。私は、そのくらいの順番で暦の言葉を暮らしへ近づけたいです。名前を覚えきることも、今すぐ信じ方を決めることも、今日の宿題にはしません。
よくある質問
四神の方角はどう覚えればよいですか?
東が青龍、南が朱雀、西が白虎、北が玄武です。文化庁のキトラ古墳の解説では、対応する四方の壁に描かれていたと確認できます。紙に四方を書いて名称を添えると、見返す手掛かりになります。ただし、四神に属する星を実際に探す方向は、観察地点と日時を合わせた星図で別に調べます。
玄武は亀のことですか?
キトラ古墳の玄武について、国営飛鳥歴史公園は亀に蛇が絡まった像と説明しています。亀だけを思い浮かべると、蛇の部分を別の絵と取り違えるかもしれません。元の写真と解説を一緒に確認すると、二つの姿を読めます。この記事は同古墳の図像の説明で、すべての時代や作品の表現を一律に定めるものではありません。
四神と二十八宿で、家や引っ越しの良し悪しが分かりますか?
四神と二十八宿の対応表から、住宅や引っ越しの成否は判断できません。方角を守るという説明は歴史的な思想・信仰として読む内容です。生活の予定は、家の状態、費用、関係者の都合など実際の条件から考えます。私は、暦の文化を楽しむことと、契約や移動の判断を暦だけに委ねることを分けたいと考えます。
調べた資料・出典
2026-10-07 確認
- 国立天文台 暦Wiki「二十八宿」 — 四神ごとの7宿の対応、宿の間隔が均等ではないこと、星の位置と暦注の使い分けを確認。
- 国立天文台 貴重資料展示室「すばる」 — すばる・プレアデス星団と昴宿のつながりを確認。
- 文化庁「キトラ古墳壁画の公開」御挨拶 — 四神を描いた壁の方角、天井の天文図、赤道と黄道の円を確認。公開日程の案内としては使用していない。
- 文化庁 文化遺産データベース「キトラ古墳壁画」 — 四神・十二支・天文図・日月を分けた説明を確認。
- 国営飛鳥歴史公園「キトラ古墳」 — 玄武の亀と蛇の図像、キトラの白虎が北向きであることを確認。
暦の吉凶は歴史的な分類・言い伝えとして紹介しています。個人の運命や出来事の結果を保証するものではありません。暦の計算法や資料の説明は更新されることがあります。生活上の予定は、関係者の都合や実際の条件を確かめて決めてください。