月の満ち欠け / 大石浩之の暦ことばノート

恒星月と朔望月の違い|2026年10月の新月

大石浩之 · 公開 · 資料確認 2026-10-11

こよみくんと白い鳥のこよまるが、星と太陽を目印にした二つの月の模型を比べ、一周を測る基準の違いを調べるイラスト
記事内容をもとに生成した、こよみくんとこよまるのイメージです。模型は周期の違いを象徴する演出で、天体の実位置や縮尺を示す図ではありません。

月の一周は約27日なのに、新月から次の新月はなぜ約29.5日なの?

恒星月は星を基準に月が地球を一周する約27.32日、朔望月は新月から次の新月までの平均約29.53日です。地球も太陽の周りを進むため、太陽との位置関係が戻るまで約2.21日余分にかかります。2026年10月の新月は11日0時50分(中央標準時)です。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として仕事をする一方、このブログでは暦の用語を資料から調べています。宿曜の説明で読む「約27日」と、月の満ち欠けの「約29.5日」。同じ月の話なのに、なぜ一周の日数が違うのか。2026年10月11日の新月を入口に、基準となる方向を確かめます。

私は、二つの数字を並べるだけで説明を終えてよいのか迷います。「月が一周する」と言えば、それで新月に戻るようにも読めるからです。今回は数値の暗記より先に、一周を数え終える条件を図にしました。資料の確認日は2026年10月11日です。

1.恒星月は星が基準、朔望月は満ち欠けが基準

恒星月は、遠方の恒星を基準にした月の公転周期です。朔望月は、月の満ち欠けが一巡する周期です。国立天文台の暦Wiki「周期/月」では、それぞれ約27.32日、約29.53日と読めます。同じ月の運動でも、どの方向へ戻ったときに一周とするかが違います。

恒星月と朔望月の比較。日数は平均的な値の概数
比べる点恒星月朔望月
読み方こうせいげつさくぼうげつ
基準遠方の星に対する方向太陽に対する位置関係
一巡の例星を基準に月が一周新月から次の新月
平均的な長さ約27.32日約29.53日

恒星は、背景の目印として考えます。この説明では、遠方の星に向かう方向を一定とみなします。空を見上げて月が毎晩同じ時刻に同じ高さへ戻る、という意味ではありません。地球の自転による日々の出入りと、月が星の間を移動する公転は別の運動です。

「朔」は新月、「望」は満月です。ただし、朔望月は新月から満月までの半巡を指しません。新月から次の新月まで、満ち欠けが一回りする長さです。月が地球を公転する周期と、地球から見た形が繰り返す周期には、別々の名前が付いています。

月齢は、直前の新月から過ぎた日数です。周期の長さを表す恒星月・朔望月とも区別します。経過時間と月の形の関係は、月齢と月相の違いで、2026年10月の時刻を使って整理しています。

2.月が一周する間に、地球も太陽の周りを進む

朔望月が恒星月より長いのは、月の公転中に地球も太陽の周りを動くためです。国立天文台「月の満ち欠け:朔望」は、地球が進んだ分だけ月も余分に回る必要があると説明しています。星を基準に一周しても、太陽に対する向きはまだ元へ戻りません。

出発点を新月にして考えます。地球から見た月は太陽側にあります。月が星を基準に一周する間、地球の位置は公転によって移ります。すると地球から太陽へ向かう方向も変わります。月が出発時と同じ星方向へ戻った段階では、変わった太陽方向にまだ届いていないのです。

出発時の新月では月と太陽が同じ方向。約27.32日後には月は元の星方向へ戻るが、地球の公転で太陽方向がずれている。月がさらに進んで太陽方向に追い付くと次の新月になる模式図
国立天文台の解説をもとに作図。各円はその時点の地球を中心とする比較図です。距離・角度・天体の大きさは縮尺どおりではなく、軌道の傾きも省いています。2026年10月の実位置を示す図ではありません。

図の破線は、出発時に目印にした星への方向です。二段目でも破線の向きは変えていません。一方、太陽への矢印は向きが変わります。ここで月が星方向から太陽方向まで追加で進むと、満ち欠けが一巡します。その追加の公転に時間がかかります。

一周したのに新月にならないのは、測り間違いではありません。一周の終点を「星の方向」に置くか、「太陽との位置関係」に置くかの違いです。地球を動かさず、太陽方向も固定した図だけで考えると、この差が見えなくなります。

丸めた平均値で引き算をすると、29.53-27.32=2.21日です。「約2日の差」はこの程度の長さを表します。ただし、毎回きっちり2.21日を足せば新月の時刻を求められる、という計算法ではありません。次の節では、平均値ではなく公表された二つの時刻を引きます。

3.2026年10月の新月から次までは29日15時間12分

2026年10月の新月は、10月11日0時50分です。次の新月は11月9日16時02分です。国立天文台「令和8年(2026)暦要項 朔弦望」の中央標準時の欄に載っています。この暦要項の発表日は2025年2月3日です。

暦要項の公表時刻と、その差から本記事で求めた間隔
項目中央標準時・間隔
2026年10月の朔10月11日0時50分
2026年11月の朔11月9日16時02分
二つの時刻の差29日15時間12分
日単位の概数約29.63日

10月11日0時50分から11月9日0時50分までが29日です。そこから16時02分までは15時間12分。日数に直すと、29+15÷24+12÷1440=29.6333…となります。分単位の公表値から計算した間隔で、秒単位の精密値ではありません。

今回の約29.63日は、平均約29.53日と一致しません。国立天文台「月の満ち欠け:朔望」は、地球と月の楕円運動によって公転の速さが変わると説明しています。平均値は周期の代表的な長さであり、一回ごとの新月の間隔を固定する値ではありません。

10月11日0時50分は、日本で日付が11日に替わって50分後です。11日の夜遅くという意味ではありません。また、新月の時刻は月の出の時刻でもありません。太陽側にある月が見えにくい理由は、新月はなぜ見えないのかで、光が当たる側と見る側を分けて説明しています。

次の新月を手帳へ記すなら、約29.5日を足して時刻を推測するより、暦要項の次の「朔」の行を読みます。周期の概数は仕組みを理解するために、日時の表は実際の節目を確認するために使う。この二つの用途を分けると、丸めた数字に精密さを求めずに済みます。

4.宿曜の「27」と満ち欠けの一巡は、そのまま重ならない

宿曜の説明で出てくる約27日と、新月を基準にする約29.5日は、異なる周期です。このサイトの用語解説にも恒星月の説明があります。そこで月の公転を読んだあと、満ち欠けの表へ進むときには、星基準から太陽との位置関係へ基準が替わります。

二十七宿という区分の数と、恒星月の小数を含む日数も、同じ量ではありません。27という整数だけを使い、「27日後には新月」と推定することはできません。宿の区分を数えること、日付へ宿名を配当すること、月の位置を計算することは、それぞれ確かめる対象が違います。

二十八宿と二十七宿の区分や日付への配当については、二十八宿と二十七宿の違いに分けました。今回の記事が扱うのは、約27.32日と約29.53日が両立する天文学上の理由です。宿曜のすべての決まりを、この二つの周期だけで説明するものではありません。

古典の分類や吉凶の言い伝えについても、天文学の周期からその正しさを導くことはしません。月がどの基準で一周するかという資料と、人との相性や行動の良し悪しの判断は別です。数値が小数まで書かれていることは、占いの判断が科学的に証明されたことを意味しません。

5.私は、数字を選ぶ前に基準を確かめたい

私は、約27日と約29.5日のどちらが正しいかを急いで決めなくてよいと考えます。二つとも、基準を添えれば意味のある数字です。「一周」という言葉だけで同じ条件だと思い込まない。まず説明の中に「星」か「満ち欠け」かを書き足すことを提案します。

私は、短い数字で月の動きを紹介できる点には良さを感じます。その上で、何の周期かを書かずに「月は約27日で一周」とだけ示す説明には注文があります。読者が知りたいのは新月の日かもしれません。短く伝えるためにも、数字と基準は一組で残したいのです。

私なら紙を二行に分け、「星を基準に一周:約27.32日」「満ち欠けが一巡:平均約29.53日」と記します。その下に、2026年10月11日と11月9日の朔の時刻を写します。三つ目だけは平均でなく今回の具体例だと分かれば、違う数字を無理に一つへそろえずに読めます。

暦の説明を読んで疑問が残っても、その場で信じるか捨てるかまで決める必要はありません。私は、何を基準にした数字か一つ確かめられた段階を成果にしたいと思います。生活の予定は関係者の都合など実際の条件で判断し、天文の詳しい計算は国立天文台など専門機関の資料へ戻って確認してください。

よくある質問

月が地球を一周したら、新月に戻るのではないですか?

星を基準に一周する間に、地球も太陽の周りを進みます。そのため、地球から見た太陽の方向が変わり、月はさらに公転しないと新月の位置関係へ戻れません。恒星月は約27.32日、朔望月は平均約29.53日で、戻る方向の違いが約2日の差を生みます。月が止まって待つ時間ではありません。

新月から次の新月までは、毎回29.53日ですか?

約29.53日は平均的な長さで、毎回同じではありません。地球と月の楕円運動などによって間隔が変わります。2026年10月11日0時50分から11月9日16時02分までなら、29日15時間12分、約29.63日です。実際の日時を知りたい場合は、平均値を足すのでなく国立天文台の朔弦望表で確認します。

二十七宿なら、27日ごとに新月になるのですか?

二十七宿の区分数は、新月の周期を27日にするものではありません。星を基準にした月の公転と、太陽との位置関係で決まる満ち欠けを区別します。また、宿の区分、日付への宿名の配当、天体の実位置も同じ情報ではありません。新月の日付は朔望月に関わる天文資料で確認し、宿名の数だけでは求めません。

調べた資料・出典

2026-10-11 確認

暦の吉凶は歴史的な分類・言い伝えとして紹介しています。個人の運命や出来事の結果を保証するものではありません。暦の計算法や資料の説明は更新されることがあります。生活上の予定は、関係者の都合や実際の条件を確かめて決めてください。

← ブログ一覧へ